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アレッサンドロ・ボルタの経歴プロフィールを紹介

物理-歴史・伝記

アレッサンドロ・ボルタ(Alessandro Volta  1745/2/18-1827/3/5)

イタリアの物理学者。電池の発明者。電圧の単位「V:ボルト(volt)」は彼の業績を顕彰して付けられたものです。

 

 ボルタはコモ(Como, Lombardy Italy)で富裕で宗教的な家庭に生まれましたが、4歳まで話が出来ず、知恵遅れの子供であると思われていました。7歳で父が死亡し、その後、おじに育てられました。

1758年から1760年イエスズ会の学校で哲学を勉強しましたが、電気に興味を持つようになりました。

1764年から1765年に友人の研究室で実験を重ね1769年には電気に関する研究論文を書いています。

1769年から1771年まで静電気発生装置などに関する勉強をしています。

1774年にはコモの王立高等学校の物理学教授になります。

1775年静電気発生装置(Eelectrophorus)を発明しています。

1776から77年ガスの研究でメタンガスを発見し、火花でガスの点火装置を発明しました。

1779年パヴィア大学(University of Pavia)の物理学教授になりました。

 当時、ボローニャ科学大学の解剖学の教授だったガルバーニは蛙の脚に二つの異った金属を同時に触れさせると痙攣することを発見しました。ガルバーニはこの生命力を「動物電気」と呼びました。1791年に「筋肉運動による電気の力(1791)」にまとめ出版したのです。

ボルタは最初ガルバーニの理論を受け入れましたが、1792年イギリス王立協会誌に発表した論文で、ガルバーニ理論への信頼を表明しつつも、同時に「動物の湿っている体に取り付けられた二種の金属、それ自体が電気を発生させることが出来る。だから、動物の器官は受動的に反応しているのにすぎない」と述べました。

1793年にははっきりと電気は蛙の脚に固有のものでなく、二種の異なった金属が蛙の体液によって接触して電気が生じるのだとし、蛙のけいれんはそれが検電器の役目をしたにすぎないものだと主張したのでした。

それはガルバーニとの間に激しい論争が捲き起こりました。

1794年結婚。

1795年にボルタは銀と亜鉛の板の間に塩水をしめらせた紙をはさむと、二つの金属の間に電気が発生することを示し、ガルバーニ理論を葬ってしまいました。

1800年には異なった二つの金属の板の対を多数積み重ねた「ボルタの電堆」(voltaic pile)を作ることによって、安定した強い電流を取り出すことができるようになりました。これが最初の蓄電池の発明でした。この金属で最も効果的な金属は銀と亜鉛でした。

1801年には塩水が入ったワイングラス(wine goblet)に2つの異なる金属を浸したものでした。いわゆる「ガルバーニ電池」を作りました。それは、塩水または薄められた酸を入れたガラス容器を並べ、それぞれを、馬蹄形の半分が亜鉛、半分が銅からできた金属片を連結したものでした。

 この発明は、いわゆる電気時代の始まりを告げた画期的な業績であり、電気の実験に必要な一定の電流を連続して取り出すことができる電源が使用できようになり、電気に関する各種の実験が可能にななったことは画期的なできごとで、電気・磁気理論の急速な発展と応用の拡大をもたらすことになります。

1802年にはこの電池を使って電気の磁気作用が発見(1820年オルステッドが再発見)され、電気分解の手法が開発されると19世紀には新たな元素の発見が相次ぐことになりました。

1800年ニコルソンとカーライル(William Nicholson and Anthony Carlisle) はボルタの電堆を用いて水を酸素と水素に分解するのに成功しました。

1807年にハンフリー・デービ(Sir Humphrey Davy)はボルタ電池を用いてさまざまな物質の電気分解を行い、カリウム、ナトリウムを発見しました。1808年にはカルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウムを発見しました。6つの元素を発見した化学者は、デービーただ一人です。

1808年にハンフリー・デービは講会堂の地下室の全面に2000個の電池を設置し、それをアーク灯に接続して、アーク灯の公開実験に成功しました。これが、電気を使用した人工の光による照明の始まりでした。

 

2枚の金属板と電解質の水溶液から成る1次電池のことは、現在、ボルタ電池(voltaic cell)と呼ばれています。

 

1881年電圧の単位「V:ボルト(volt)」は彼の業績を顕彰して付けられたものです。