実はアルカリ乾電池は充電できます。乾電池の注意には、充電すると液漏れする危険があるなどと書かれている。が、この書き方だと充電できることを否定しているわけではない。
実際に、アルカリ乾電池を充電する機械も市販されている。(値段は高い)
市販の充電器のパッケージには、大体10回くらい充電できると書かれているが、今や2500mAhのニッケル水素電池も1本200円だしわざわざ高い金を払ってそれを買うほどのものではないだろう。
で、今回は、ニカド電池、ニッケル水素電池及びアルカリ乾電池の3種類を充電できてしかも安くつくることを目標とした。
アルカリ乾電池を充電することの利点
まず、アルカリ乾電池を充電する場合、メモリー効果を気にせず継ぎ足し充電して大丈夫です。メモリー効果が顕著になるより先に寿命がきます。
アルカリ乾電池自体は安く入手できるので、よく電池を入れ替えるけれど、2次電池を買うのはもったいない程度のものに充電式電池を使うことができます。
はっきり言って経済的に大きく得だとは思いません(入れ替えの手間まで考えると)が、ゴミを減らせるので環境にいいと思います。
アルカリ乾電池を充電することの問題点
あまり乱暴な充電を行うと内圧が高くなり中から電解液が噴出します(左図参照)。この電解液は水酸化カリウム(KOH)(別名 苛性カリ)の濃い水溶液で皮膚につくと溶けてしまうなど大変危険なものです。
このため、アルカリ乾電池を充電するときは、保護回路を工夫しなくてはなりません。
ただしここの写真は、資料を作るため10Aとかいうありえない大電流で充電したもので、実際ここまで豪快に液漏れすることはあまり無いかと思いますが。
液漏れした電解液は食酢か何かで中和してから捨てたほうがいいです。
簡単な充電回路
図1に描かれている回路は、電源にACアダプタを使っている場合に使える簡単な充電回路です。保護回路などを装備しないため、あまり速い充電はできません。また、アルカリ乾電池を充電するときは、タイミングを見計らって手動で停止しないといけないなど、あまり良い回路とは言えません。
また、E1が電源のACアダプタ、E2が充電する電池、Rはベース電流を調節する抵抗、VRは充電電流を調整する半固定抵抗器、Qは電流を制限するトランジスタで、E2の電圧が変わっても電流が殆ど変わらない設計です。
この回路では、ニカド電池及びニッケル水素電池は問題なく充電できます。