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ジェイムズ・クラーク・マクスウェルの経歴プロフィールを紹介

物理-歴史・伝記

ジェイムズ・クラーク・マクスウェル(James Clerk Maxwell  1831/6/13-1879/11/5)   

 

イギリスの理論物理学者クーロン、ファラデー、アンペール等による電磁界に関する理論や実験をもとに、1864年にマクスウェルの方程式を導いて古典電磁気学を確立しました。その式から電磁波の存在を理論的に予言し、その伝播速度が光速度に等しいことを証明しました。

 

1847年 エディンバラ大学へ入学し、自然の事象や生起についての知識や考察する自然哲学(Natural philosophy)等を学びました。

1850年 ケンブリッジ大学へ転校しました。

1854年 ケンブリッジ大学を卒業しました。

1856年 アバディーン大学教授に就任し、「ファラデーの電磁誘導の研究等を数学的に記述する研究」をして「ファラデーの力線について」の本を出版しました。

1859年 ダニエル・ベルヌーイ(Daniel Bernoulli )が作った気体分子力学(kinetic theory of gases)に気体分子の速度分布関数及び平均自由行路を導入しました。

1860年 ロンドン大学キングスカレッジ教授に就任 しまし、「ファラデーの電磁誘導の研究等を数学的に記述する研究」を続け、その成果を1861年-1862年に「物理学的力線について」として本を出版しました。

 

1864年に王立協会に提出されたマクスウェルの方程式は電界と磁界の相互作用を表現する微分方程式の組み合わせです。最初は20個の方程式と20個の変数からできていましたが、ベクトル表記法を取り入れた4組の偏微分方程式に変更されました。

この方程式から電界と磁界の継続的な振動の発生(電磁波のエネルギー放射)を予測していました。その進行速度は310,740,000m/sと予測しました。この速度はほとんど光の速度に等しいことから、電磁界によって作られる波は光と同じものであると考えました。

そして、力学的な観点から波が伝播するためには波のエネルギーを伝える媒体が必要であり、それは従来から知られていたエーテルの存在も必要であると考えました。

1871年にはケンブリッジ大学教授に就任して、これまでの成果をまとめ、1873年に「電気磁気論」とし電磁気学の包括的な理論であるマックスウェルの方程式を完成させましたが、当時は彼の方程式を理解できる人も少なく、注目されることはありませんでした。

1874年ケンブリッジ大学の物理学に関する最先端の実験を通して研究成果の獲得と研究者の育成をする目的で設置された研究所であるキャペンディシュ研究所の初代教授に就任し、キャベンディッシュ家からヘンリー・キャベンディッシュが残した未整理の研究資料が寄贈され、彼がその資料を整理し、1772年にキャベンディッシュはクーロンの法則である静電気力の逆二乗則、1781年にオームの法則等を発見していて、それ等をまとめて1879年に出版しました。

1873年これまでの成果をまとめ、「電気磁気論」とし電磁気学の包括的な理論であるマックスウエルの方程式を完成させましたが、当時は彼の方程式を理解できる人も少なく、注目されることもありませんでした。

彼の死(1879/11/5)後、1888年ドイツの物理学者ヘルツの実験によって電磁波の存在が実験的に証明され急に注目を集めることになりました。その最大の成果は無線電信、放送、携帯電話として発展します。

また、別の角度からマックスウェルの式に注目した人がいました。それは相対性理論で有名な物理学者アインシュタインです。マックスウェルの方程式から導かれる速度の式には変数が含まれていず、光の速度は不変であることから、アインシュタインの光速不変の考え方が含まれており、特殊相対性理論に理論的な基礎を与えることとなりました。