ここではクサガメの野外飼育に関して記載しています。
1.クサガメって?
学名:Chinemys reevesii
甲長:オス18cmメス25cm
分布:本州、四国、九州、中国、朝鮮半島、台湾など
寿命:最高100年以上(正確ではなさそうです)
良く日本在来のカメと言われますがどうやら外来種のようです。
化石が見つからない、イシガメと交雑する※1(もともと日本にいたのならイシガメと交雑しないはず。生殖的隔離が起こる)、古文書にクサガメが登場しないという点などから大分昔に日本へ持ち込まれたカメという説もあるようです。また、昔は神社の池などにカメを放すことがよくあったため仮に日本古来の在来種だとしてもその地純粋の在来種と呼べる物はほとんどいないと思います。なお、山口県見島にあるイシガメ・クサガメの生息地は国の天然記念物に指定されています。※1イシガメと交雑するとウンキュウというカメが生まれます。
※最近京都大学らの研究でクサガメが外来種であるということが判明したらしいです。韓国産も個体とDNAに差異が無かったんだとか・・・研究者によるとウンキュウも問題視しておりました。もしかしたらクサガメも駆除対象になるかもしれません。また、文献などから18世紀末に観賞用に大陸から持ち込まれたのでは?とのことでした。
雌雄判別
尾が太い個体はオス。細い個体はメスです。また、総排泄穴が甲羅より外側にあればオス。違えばメスです。幼カメや若いカメでは判別が難しいと思います。
2.入手方法
購入
ペットショップに行けば売られています。クサガメという名ではなくゼニガメという名前で売られていると思います(ゼニガメは本来イシガメのことを指しますが現在はほとんどがクサガメのことを指します)。値段は・・・知りません・・・700円ぐらいでしょうか?
採集
田んぼ、用水路、池とかに生息しているのでそちらを探索すれば見つかるかと。我が家のは祖父が田んぼで捕まえた、家の敷地にひょっこり現われた(おそらく近くの田んぼからやってきた)個体なので詳しい採集方法は知りません。なお、水田地帯を歩いていれば道路上で見つかることもあります(我が家にはとある夜に周りが蓮田に囲まれた道路で採集したことがある)。
3.飼育
我が家の飼育風景。どちらともオス。
容器
水槽、衣装ケースなど大きめのものが良いです。野外飼育なのでプラ舟等を使って池を作るのも良いかと思います。我が家では大き目の瓶と衣装ケースを使用しています。飼育容器の中にはレンガ等を使って甲羅干しの出来る陸地を設置してください。飼育容器設置場所は日光浴をさせるためにも日当たりの良い場所。真夏など高温になるときはすだれなどで日陰を作る。また、脱走やカラスなどの動物からカメを守るために網を張るとかした方が良いと思います。
レイアウト
レンガなどを使って陸地を作るだけで十分です。食べられてぼろぼろにされるかもしれませんが浄化作用を期待して水草を入れるのも良いです。
えさ
カメのえさで十分です。おやつ程度に小魚(淡水)、淡水のエビ、乾燥エビなどを与えるのも良いかとおもいます。
日々の管理
えさは数日に1回数分で食べきれる量。水換えは汚れてきたらその都度行いましょう。大雨が降ると水があふれてカメが逃げる原因になりかねないので注意しましょう(大雨のときはバケツ等に入れ屋内に避難させましょう)。
病気
紫外線不足による病気などがありますが、野外なので無いと思われます。水質悪化に伴う皮膚病などにかかる可能性はあります。
皮膚病に関しては水質悪化が主な原因になるので日頃から綺麗な飼育環境を整えることが重要になってきます。皮膚病になった場合は強制バスキング(鳥かごなどに入れて日光浴させ体を乾かす)、イソジンを薄めて体に塗るなどすると良いそうです。
※病気に関しては現在カメの病気に関してのページを作成中なので完成したらそちらを参考にしてください。
季節の管理
春:冬眠からさめる時期です。えさを与えて体力を回復させましょう。
夏:気温が上がりすぎるときはすだれなどで日陰を作って高温対策をしましょう。
秋:冬眠に向けてえさを与え体力をつけましょう。気温が下がりえさを食べなくなり始めたらえさを切りましょう。
冬:冬眠中なのでなるべく刺激を与えないように。温度変化の少ない場所に飼育容器をおいてください。出来ればたまに水換えを行ってください。
冬眠方法
何もしなくても勝手に冬眠してくれます。飼育容器に水を入れ蓋をする(蓋をしなくても可)、温度変化の少ない場所におくだけでOKです。我が家では田泥を少し入れただけで何時も飼育するような感じで放置しましたが冬眠してくれました(蓋もしていません)。水が汚れると病気ののもとなのでたまには水換えをおこなってください。小亀の場合は危険なので冬眠させないほうが良いです。
※現在田泥は除去してあります。
繁殖方法
今までカメを繁殖させたことがありませんが、交尾行動を確認して産卵しそうな仕草を見せたら産卵用のケースに入れて産卵が終わったら取り出し、人工的に孵化させると良いと思います。池とともに産卵場所を作っておけば放置しておいても大丈夫かなと思います。
人に馴れるか
カメは人に馴れやすい生き物ですが野外飼育をしていると馴れにくいような気がします。
野外飼育注意点
1.脱走:バーベキューの網などで蓋をしないと脱走されるおそれがあります。集合住宅の場合他の家のベランダに行ってしまったり、地面に向かってダイブして怪我をしてしまう可能性があります。
2.天敵:カラスなどの動物に注意。バーベキューの網などで防除しましょう。
3.イタズラ:集合住宅の場合はまずないですが、子供にイタズラされる可能性があります。我が家ではクサガメがイタズラに遭い(多分近所で遊ぶ子供がやった)居なくなったことがあります(どこかに持ってったのかも)。
4.盗難:安価なカメならないかもしれませんが、盗まれる可能性もあります。
5.直射日光等:熱中症などで死ぬことがあるのですだれなどで日陰を作りましょう。
4.最後に
屋内飼育する場合は紫外線ライトなどが必要となってきます。我が家では日本で生息できるカメなんだからということで野外飼育をしています。
長生きな生き物なので覚悟して飼育してください。