細胞外液とは(高張液、等張液、低張液の特徴と違い)

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細胞外液とは単純に細胞の外の溶液のことです。この細胞外液と細胞内液との濃度(密度)の違いによって浸透圧が発生する方向が変わります。「濃度が薄い方から濃い方へ」溶媒が移動するんでしたね。まずは細胞外液の種類を見てみましょう。

 高張液

高張液とは細胞内液よりも濃度が濃い溶液のことです。その細胞外液と細胞内液を仕切っている細胞膜は半透膜で出来ています。

 

図 26: 高張液

細胞膜の外の溶液の方が濃度が濃いわけですから、溶媒の移動は細胞内液側から細胞外液側への移動の方が多く起こります。つまり浸透圧は内液から外液方向となるわけです。

 

図 27: 浸透圧の方向

等張液

等張液とは細胞内液と濃度が等しい溶液のことです。ですから細胞内液側から外液側への溶媒の移動と、細胞外液側から内液側への溶媒の移動が等しく起こり、全体的にまるで変化が無いように見えます。

 

図 28: 溶媒粒子の移動の様子

つまり浸透圧は発生しません。

 

図 29: 等張液における浸透圧発生の様子

低張液

低張液とは細胞内液よりも濃度が薄い溶液のことです。

 

図 30: 低張液

細胞膜の内の溶液の方が外の溶液よりも濃度が濃いわけですから、溶媒の移動は細胞外液側から細胞内液側への移動の方が多く起こります。つまり浸透圧は外液から内液方向となるわけです。

 

図 31: 低張液における浸透圧の方向