3極真空管で発信器を作ることができるようになり、真空管式の送信機が実現しました。しかし、この送信機には無線電信(CW)の信号検出に問題がありました。
1903年にフェッセンデン( Fessenden)はヘテロダイン(Heterodyne)方式による復調を発明しました。受信機に別の発信器(局部発信器Local oscilator)を置いて無線信号と干渉させて、可聴域の信号に変換する方式でしたが、当時真空管が実用化されていず実現することはありませんでした。
ヘテロダイン方式とは、信号の変換復調方式の中でも、受信した信号と局部発振器における信号とをミックスし、そのふたつの信号の周波数差から中間周波数を作り出して、増幅を施した後に復調を行う受信方式のことです。
1917年にはアームストロングはヘテロダイン方式を応用して、スーパーヘテロダイン(Superheterodyne)方式を発明しました。RF信号と別の発信器(局部発信器)の信号を干渉させて増幅しやすい低い周波数(可聴域よりは高い)一定の周波数に変換し、その周波数(中間周波数Intermediate Frequency IF)を十分に増幅してから検波(復調)する方式です。
この方式は十分な増幅度(感度)が得られ、増幅する周波数の幅を送信側の送信周波数にあわせて適切に選択することができることから、余分な周波数を増幅しない(選択性の向上)ので他局からの信号が入り込んでくる混信を避けることができるようになりました。