力には良く知られている重力や電磁力、原子核をまとめている強い力、ほかに陽子を中性子に変える等の作用をする弱い力の4種類があります。
この4つの力は宇宙誕生の初期には一つに統一されていて、次々に分離してきたと考えられています。
まず最初に重力が分離し、次に原子核を固めている強い力(核力)が分離、最後の電磁力と弱い力が分離したと考えられています。
これらを扱う理論に場の量子論があり、それによると"力は粒子を交換することによって生じる(交換力)”のですが、強い力は湯川秀樹の予測した中間子やグルオン等の粒子が交換されることが証明され、弱い力はWポゾン等の粒子が交換されることです。
同様に、電磁力は電子の持つ電荷が作用する力ですが、交換される粒子は光子(光の粒)で、電子の周囲を詳細に見ると、光子が生成され遠くに飛んでいくものもありますが、飛び込んでくるものもあり、生成してすぐに戻ってくるものも沢山あります。これらの素粒子の性質を計算できるようにした「くりこみ理論」は、朝永振一郎やシュウィンガーによって完成されましました。
重力はグラビトンという粒子があると考えられていますが、確認されていません。
更に、電磁力と弱い力を統一した「電弱統一理論」(ワインバーグ・サラム理論)があり、さらに強い力を加えた「大統一理論」の確立が期待されています。
まったく新しい発想で4つの力を大統一しようとする研究もおこなわれていて、それは「超弦理論」(スーパー・ストリング理論)で、物質の最小構成要素は素粒子ではなく、振動する短いひもであるとし、「弦;ひも」といっても、その長さは10のマイナス35乗センチメートルで、宇宙は10次元時空をもち、われわれが目にする3次元と時間の1次元以外の次元は、ビッグバン以降成長することなく、「超弦」の中に閉じこめられているとされています。
これはまだ確立されているのではないのですが、量子論でも宇宙の始まりから、プランク時間(ビッグバン開始から10のマイナス43乗秒以前)に至るまでの説明が困難であることが知られるようになり、それを乗り越えることができる理論として期待されています。
交換力・4つの力 (重力、電磁力、強い力、弱い力)について解説
物理 物理-量子論による電気の理解