アルコールの酸化反応について分かりやすく解説

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 有機化学の中でも1、2位を争うほど超重要反応の登場です。アルコールの酸化反応を完璧に覚えてくれないと、この先には進めません。絶対に覚えてください。

 アルコールは-OHをもつ物質の総称です。ただし、ベンゼン環に直接-OHがつくフェノール類とは区別します。これについては【フェノール類の性質】を参照してください。

 アルコールは、-OH基のつき方によって、三種類に分けられます。第一級、第二級、第三級の3つ。すべてのアルコールは、絶対にこれらのうちのどれかに属します。そして、どこに属するか、第何級かによって、酸化反応後の生成物が全然違ってくるんです。

アルコールの酸化反応

アルコールの級数
酸化反応後の生成物
級アルコール

アルデヒドを経てカルボン酸が生成。

級アルコール

ケトンが生成。
 

級アルコール

酸化されにくい。(何も生成しない)
※表中のRは炭化水素基を表す記号です。よく出てくるので慣れてください。

 この表を何が何でも覚えてください。丸暗記はできるだけ避けたいのですが、コレばっかりは丸暗記してくれて一向に構いません。問題を解く上で絶対不可欠なポイントです。いろんなとこで顔を出してきます。芳香族でも出てきますし、有機をマスターするために不可欠な知識です。

 

 ◆アルコール級数の判別

 そして▲の知識を使えるようになるには、アルコールを級別に判定できるようにならないといけない。というわけで、第何級なのかを判別する方法を説明しましょう。

 アルコールの級数の判別法→-OH基のついたCに隣接しているCの数に注目。

   →1つ=第一級   →2つ=第二級    →3つ=第三級

 これですべて判別できます。

 では、例題を出してみよう。

 次のアルコールの級数はいくつか。

 (1)  

(2)   

(3) 

 

 

(答) (1)第二級 (2)第三級 (3)第一級

 
 最後に、よく出る化合物の具体例を挙げておきます。特に第一級のメタノールとエタノールは、生成物も一緒に合わせて覚えましょう。すらすらと

メタノール → ホルムアルデヒド → ギ酸
エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸

と言えるようになったら合格です。もちろん構造式も正しく書けるようにしてね。

級数 
アルコール
酸化による生成物
第一級
メタノール


ホルムアルデヒド→ギ酸

 → 

エタノール


アセトアルデヒド→酢酸

 → 

第二級
2-プロパノール


アセトン

第三級
2-メチル-2-プロパノール

な し