ヨードホルム反応について解説

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 有機を学習するにおいて、避けて通れない反応です。銀鏡反応・フェーリング反応とともに、有機前半の3大検出反応のひとつ。絶対に覚えてね。

 

 ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液の混合液に試料を入れ、お湯で加温する。すると、特有の臭気をもった黄色沈殿が生じる。この反応がヨードホルム反応です。ヨードホルムというのは、この黄色沈殿の結晶のこと。化学式ではCHI3です。けっこう書かせる問題多いから正確におぼえよう。くれぐれもCH3Iと書かないように!

 

 では、一体どういう物質がこの反応をするのか。ここが一番大事。だってこれが構造式判定に大きく関わってくるから。

 

 ある化合物が、

 

 

 

のどちらかを構造式中にもっているなら、ヨードホルム反応陽性である。

 

 2つあるけど、左を酸化したら右になるんだから、ほとんど同じです。

 

 実践に結び付けるには、この構造をもっているかどうかを一瞬で見分ける訓練が必要。そこで例題。

 

 次の物質の中で、ヨードホルム反応陽性の物質を全て答えよ。

 

 

 正解は、一番下に書いておきます。

 最後に、ちょっと難しい話。ヨードホルム反応の反応式を書かせる問題が、国公立2次でときどき見かけます。余裕のある人は、書けるようにしておこう。

R-CH(OH)-CH3+4I2+6NaOH→CHI3↓+R-COONa+5NaI+5H2O

R-CO-CH3+3I2+4NaOH→CHI3↓+R-COONa+3NaI+3H2O

 どちらにしても、カルボン酸塩が生成するのがポイント。応用問題となるとこのカルボン酸塩までもいじってきたりするから、頭の片隅に入れておこう。

 

             の答え  [1]と[3]