エルステッドの実験について解説

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エルステッドの実験(電流の磁気作用)
 1820年にデンマークの科学者エルステッド(Hans Christian Orsted)は、電気(電流)にもコンパス(方位磁石)の針を動かすなどの磁気作用があることを発見しています。

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1820年4月にエルステッドは夜間講義で電線に流れる電流が熱と光を発生させる公開実験の準備をしていて、たまたまその近くに方位磁石が置いてあって、電線に電池から電流を流すスイッチを入り切りしたときに、北を指していた磁針が少し変化したのに気付き、大変驚きました。
この現象は電線に電流を流すとその周りに磁界が出来るから磁針がその磁界の影響で磁針が振れるのだと考え、磁界と電流の相互関係を示す直接的な証拠であると確信しました。
しかし、その時この現象を数学的な手法で明確に説明することが出来ず、3ヵ月後に詳細な調査を初め、電線を流れる電流が磁界を作ることを証明して、すぐにその発見を公開しました。この報告は電気と磁気の相互作用を確認した重要なできごとで、当時かなりインパクトのある情報で、科学界で注目を集め、1820年9月11日にパリの科学アカデミーでアラゴ(Dominique Francois Jean Arago アラゴの回転盤で有名)によってこの発見が報告されると、これに感銘を受けたアンペール (Andre Marie Ampere)はすぐ実験を行いわずか二週間で実験に成功し、その結果(アンペアの法則)を1820年9月18日に科学アカデミーに報告したのです。