ガルバーニの蛙の脚の実験について解説

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ガルバーニ(Luigi Galvani 1737/9/9-1798/11/4)かなり昔から電気うなぎのような動物が電気を発生させることが知られていたようでして、 1780年末から、筋肉の刺激反応等を、蛙を使って研究していたガルバーニは、脊髄と脚の神経を露出させた蛙の下股を用い、ガラス板を金属箔ではさんだ板の上にそれをのせ、摩擦によって電気を発生させる起電機で静電気を作り、その電気を導線を通して、脊髄や神経を刺激する実験をしていたところ、蛙の脚が激しく痙攣する現象を発見しました。このときの筋肉の痙攣する力は電気の強さと、電線を接触させる位置によって変化することに気づきました。それは電気の強さに比例し、導線を接触している点から神経までの長さに反比例すると推測しました。
 ところが、実験を繰り返す内に、導線が接触していないにもかかわらず、その金属箔の上に脚神経があると、起電機が放電した時に痙攣することに気付いたしたのです。彼はこれを空中電気によるものと考え、雷でも同様の結果が起こると予測し、脊髄に真鍮のフックを付け、庭に張った鉄線に引っ掛けて吊るしところ、稲妻が、光った時、蛙の脚は痙攣したのですが、奇妙なことに、晴れて雷が無い時でも、脚を吊るすとやはり痙攣が生じたのです。種類の異なった金属が原因であると正しく洞察し、室の中で様々な組合せでこれを実験し、金属の種類によって、痙攣の強さが異なることを確認したのでしたのです。
 しかし、当時広く流布していた動物の神経には動物電気が流れているという説に対し、確かな証拠を得たと考え研究結果を公表したのですが、実は、湿った環境の中で種類の異なった金属の間には電位差が発生し、この異なった金属の間を接触させると連続した電流が流れることを発見したのですが、誤った解釈をしてしまったのです。