電気抵抗の基礎知識

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抵抗(ていこう resistors)は電流の流れ難さを表します。

抵抗の記号は電流の流れを妨げることから “抵抗(Resistance)” と言い, その頭文字から記号Rが取られました。
抵抗の大きさを表す単位はΩ(オーム)です。オームの法則の発見者(ゲオルグ・ジーモン・オーム(Georg Simon Ohm) にちなんでオ-ムを用い, 単位記号には “Ω” を用います。
抵抗の実用標準は量子ホール効果によって規定されています。

例えば、 強い圧力をかけられた水や圧縮空気は細い管の中を通る時には流れる量が少なくなり、太い管を通る時には流れる量が多くなるように、細い管は流れに対する抵抗が大きく、太い管は流れに対する抵抗が小さいことを示しており、同様に、電圧が一定であれば抵抗が大きいと流れる電流は小さくなり、抵抗が小さいと流れる電流は多くなります。

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抵抗の概念

 導線は一般に金属ですが、金属(金属結合)の中には金属原子が規則的に配列していて、その周辺には金属原子とほぼ同数の自由電子があり、自由電子が電荷を運ぶ役割をしています。金属の両端に電圧(電界)をかけると、自由電子が移動することで電流が流れます。自由電子の動きは電界が無いときにも自由に動いていますが、その動きは全体としてある方向への流れはありませんが、金属の両端に電圧をかけるとそれによる電界が発生し、その電界によって電子は正極側に加速されます。加速された電子は規則的に配列している金属原子に衝突してエネルギーを失いますが、また加速されて衝突を繰り返しながら正極に到達することになります。このときの衝突の回数が多ければ電子が流れ難く(抵抗が大きい)、衝突の回数が少なければ電子が流れやすい(抵抗が少ない)ことになります。加速された電子は金属原子に衝突することで金属原子にエネルギーを与え金属原子の振動数が増えることから金属の温度が上昇します。これが電気による発熱現象(ジュールの法則)です。