1)成分元素の検出
元素 |
操作 |
生成物 |
生成物の検出反応 |
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C |
酸化する |
CO2 |
石灰水に通すと白濁する。 |
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H |
H2O |
硫酸銅(Ⅱ)無水物に作用させると白から 青に変わる。 |
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N |
酸化カルシウムと混合して加熱 |
NH3 |
濃塩酸を近づけると塩化アンモニウムの白煙を上げる。赤リトマスを青変させる。 |
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S |
Naの小片とともに加熱融解し、水に溶かす |
Na2S |
酢酸鉛(Ⅱ)水溶液を作用させると、硫化鉛(Ⅱ)の黒色沈殿ができる。 |
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Cl |
焼いた銅線に接触させる。 |
CuCl2 |
水溶液にして、炎色反応で銅の色(青)を確認する。 |
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2)有機化合物の組成式の決定法
組成式・・・分子を構成している元素の種類と比を表した式。
例 分子式がC4H10なら組成式はC2H5となる。
C,H,Oからなる有機化合物は完全燃焼すると、化合物中のCはすべてCO2に、HはすべてH2Oになる。そのため、C,H,Oからなる有機化合物を燃焼して、生成した水と二酸化炭素の質量からこの有機化合物の組成式を求めることができる。
元素分析をする際は下のような装置で試料を燃焼し、生成した水は塩化カルシウム管に、二酸化炭素はソーダ石灰管に吸収される。そのため、燃焼後の塩化カルシウム管とソーダ石灰管の増加量が水と二酸化炭素の質量になる。
例題1
炭素,水素,酸素からなる化合物4.00mgを完全に燃焼させ、二酸化炭素7.65mgと水4.65mgを得た。この化合物の組成式を求めよ。
・C,H,Oの質量を求める
C(炭素)の質量 = |
CO2の質量 × |
Cの式量(原子量) |
= 7.65 × |
12 |
= 2.09 [mg] |
CO2の式量(分子量) |
44 |
||||
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H(水素)の質量 = |
H2Oの質量 × |
2Hの式量(原子量) |
= 4.65 × |
2.0 |
= 0.517 [mg] |
H2Oの式量(分子量) |
18 |
||||
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O(酸素)の質量 = |
化合物の質量 - (Cの質量 + Hの質量) = 4.00 – (2.09 + 0.517) = 1.39 [mg] |
・組成式を求める → C,H,Oのモル数(質量を式量で割る)の比を求める
C:H:O= |
2.09 |
: |
0.517 |
: |
1.39 |
= |
0.174 : 0.517 : 0.0869 |
12 |
1.0 |
16 |
= 2.00 : 5.95 : 1(最も小さい数を1にする)
≒ 2 : 6 : 1 組成式C2H6O
☆この問題では水の量と二酸化炭素の量をそのまま与えられているが、それぞれ塩化カルシウム管とソーダ石灰管の増加量で与えられることもある。
3)分子式の決定法
分子式は、2)でやった組成式の整数倍に相当するので、何らかの方法で分子量(分子式の式量)を求め、これが組成式の式量の何倍になるかを計算すれば、分子式を求めることができる。
例題2
ある化合物を分析したところ、炭素78.2%,水素7.3%,酸素14.5%であった。また、別に分子量を求めたところ216であった。この化合物の分子式を求めよ。
・組成式を求める
☆この問題の場合は例題1と違い、C,H,Oが%で与えられているので、化合物が100gあったと考える。
炭素の質量= 100 × 0.782 = 78.2 [g]
水素の質量= 100 × 0.073 = 7.3 [g]
酸素の質量= 100 – (78.2 + 7.3) = 14.5[g]
C,H,Oのモル数の比
C:H:O= |
78.2 |
: |
7.3 |
: |
14.5 |
= |
6.52 : 7.3 : 0.906 |
12 |
1.0 |
16 |
= 7.20 : 8.06 : 1 ≒ 7 : 8 : 1 組成式C7H8O
・分子式を求める → 分子量(分子式の式量)が組成式の式量の何倍かを求める。
C7H8O = 108
分子量 |
= |
216 |
= |
2[倍] |
組成式量 |
108 |
分子式 C14H16O2