葉緑素、葉緑体についての解説

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簡単に言えば、葉緑体というのは植物細胞の中にある器官で、葉緑素というのは葉緑体の中にある色素です。正直これ以上でもこれ以下でもないんですけど。下図は簡略して描いた、動物細胞と植物細胞を比較した物です。(実際はこれら以外にもさまざまな器官がある)

葉緑素つまり緑の色素は、光エネルギーの受け渡しをし光合成に役立っています。ちなみに英語で、葉緑体はクロロプラスト、葉緑素のことをクロロフィルといいます。

あとここでついでに説明しておくとすると動物細胞と植物細胞の大きな違いです。植物には、少なくとも3つ動物細胞にはない物があります。それは、図の通り細胞壁、発達した液胞(動物細胞にも一応液胞はあるが発達はしていない)、そしてここのお題目である葉緑体です。

細胞壁は細胞膜の外側にあり、堅い物質でできています。ちなみにその主成分はセルロースというものです。役目は簡単に言えば、動物の骨の役目です。植物には体のつくりに、骨の当たる部分がありません。細胞壁によって細胞の形を保つことで体を支えているのです。また、細胞自体を守るのにも一躍かっているようです。

次に、液胞。ほとんどが水でできています。役目は、細胞内の水分(正確には浸透圧だが、ここでは説明しないで置く)の調整、細胞内で合成した物質や細胞内に運ばれてきた物質を一時的にためるようです。また、老廃物もためるようです。植物には排泄器官がないので、ここに溜めているようです。

葉緑体の役目は光合成をすることです。

光合成というのは、簡単に言えば植物が光を使って自分に必要な栄養を作るということです。まあ本当はもうちょっと複雑なんですが。それでは説明をはじめましょう。

もうちょっと詳しく言うと、光合成というのは、光エネルギーを使って二酸化炭素と水を合成して、炭水化物と酸素を作ることです。このときに光合成をおこなう器官は葉緑体です。その葉緑体に中には葉緑素という色素が入ってるんですがこの話は別の機会にしましょう。

皆さんが想像するように植物というのは基本的に緑色ですね。葉緑素というには緑色なので、植物は緑色なんですが、なんか時々ふ入りの植物ってありますよね。たとえば朝顔なんか。朝顔の葉に白い部分ってありますよね。あそこには葉緑素がないから、白く見えるんです。実験してみると、葉を光に当てたあとヨウ素液に浸すとあそこにはでん粉がないのがわかります。よって葉緑素は光合成のとき重要な役割をしてるんですね。

ちなみに光合成では、二酸化炭素を多く消費し酸素を出します。酸素を作り出す生物というのはそう多くありません。ほとんどが、生物(なお、これには植物も含む)が酸素を消費して二酸化炭素を放出するんですね。つまり、地球上の酸素の生産のほとんどを担っているのが植物なんですね。

では、少し質問をしたいと思います。皆さんが普段もっとも二酸化炭素と触れ合う時とはいつでしょう。それはおそらく呼吸ではないでしょうか?なお、ここでいう「呼吸」というのは、体内に取り込んだ炭水化物(デンプンや糖など)を体内に取り込んだ酸素で燃焼(酸素と化合すること)させて生命活動に必要なエネルギー(体温を保つなど)を取り出し二酸化炭素と水を体外に放出することを指します。

これは光合成の化学反応によく似ています。というよりはむしろまったく逆の反応です。(上記を参照)そうです、このように光合成と呼吸というのは密接な関わりがあるんですね。