磁石の両端は鉄を引きつける力が強く、この引力の強い部分を磁極といい、磁石のN-N極、S-S極には互いに反発する力、N-S極には互いに引き付け合う力がはたらき、この磁極間にはたらく力のことを磁気力(じきりょく Magnetic forces)または磁力(じりょく)といます。
磁極は周囲に磁力を及ぼすので、磁力の強さに応じて磁力線(じりょくせん magnetic line of force) を出しているとします。
したがって、磁力線というのは単に磁界(じかい magnetic field)のありさまを具体的なイメージにしているだけであって、磁力線を定量化した磁束(じそく magnetic flux )という考え方を導入し、磁束の強さの1単位が1本の磁束を発生すると約束して、単位を(Wb ウェーバ)とします。(磁束は量子化されますが、量子化磁束ではありません)
磁荷というものは存在しない
磁石にはN極とS極が存在していて、電気で言えばプラスとマイナスの電荷に対応するものですが、磁石をどれだけ細かく切っても,切った端にN極とS極が表れ,単独でN極とS極を取り出すことはできません。
つまり、プラスとマイナスの電荷に対応するような磁荷(じか magnetic charge)は存在しないのです。磁極はN極とS極が必ず対になっていて、プラスとマイナスとが別々に存在できる電荷とは全く違う概念です。