電圧(でんあつ potential differences)の大きさは電荷の集中の度合いを表しており、回路(かいろ)に電流を流そうとする働きがあります。
電圧の単位はV(volt、ボルト)です。
電荷を高電位(エネルギーの高い状態)に持ち上げる能力のことを電位(electric potential)といい、それは無限に遠い地点(絶対ゼロ)から、1C(クーロン)の電荷を移動するときに消費する仕事が1J(ジュール)のときの電位を1ボルトとしています。
2点間の電位の差を電位差(potential difference)といい、2点間に1A(アンペア)の電流を流し消費する電力が1W(ワット)のときの電位差を1V(ボルト)といいます。また、起電力(electromotive force)ともいいます。
電圧の実用標準は交流ジョセフソン効果(超伝導材料によるジョセフソン素子に電磁波を照射する)を利用して作られています。
例えば、 強い圧力をかけられた水や圧縮空気は管の中を通る時には流れる量は、圧力が高いときには流れる量が多くなり、低いときには流れる量は少なくなります。同様に電圧が大きいと流れる電流も大きくなります。
電圧標準
ジョセフソン素子に周波数f[GHz]の電磁波を照射したときに取り出される量子化電圧Vは,Vn=nf/KJ-90[V]の値をもつものとする。ここで,nは整数,KJ-90はジョセフソン定数KJの1990年協定値でKJ-90=483597.9[GHz/V]と定義されています。
ジョセフソン素子(Josephson device)
ジョセフソン素子は、2個の超伝導体の間に絶縁体か常伝導金属薄膜を接合したものです。
超伝導体は極低温で動作するため、素子を液体ヘリウムで冷却したジョセフソン素子に電流を流すとトンネル電流が流れますが、ある電流値を超えると、電圧が発生し、その電圧に比例した周波数の電流が発生します。
交流ジョセフソン効果
ジョセフソン素子に、周波数f の電磁波(マイクロ);を照射すると、周波数に比例した電圧がステップ状に変化する(Vn = (h/2e)・n・f h はプランク定数 e;は単位電荷 n;は整数)直流電圧(V;量子化電圧)が素子に現れ、電流もステップ状に変化する現象を、交流ジョセフソン効果といい電圧標準の基本原理として用いられます。