原子の基礎知識を解説:大きさ、重さはどのくらい?

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原子は物質(ぶっしつ)の最小単位で、陽子と中性子が中心で核(原子核)を作り電子はその周りを回転しています。
 陽子は正の電気を電子は負の電気を帯びていますので、電気的には電子と陽子の数が同数であることから電気量の絶対値は等しく中性です。
 原子核の周りの電子はいくつかの層に分かれていて、それを電子殻と言い、電子の個数は原子核に近い(エネルギーが低い)側からK殻2個、L殻8個、M殻18個、N殻32個が最大収容個数です。
 電子はその数が多くなるとK殻より順に電子殻を満たしていき、最大収容個数を満たした一番上の電子殻までを閉殻といい、それ以外を殻外といます。

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原子の誕生はいつか

ビッグバン宇宙論によれば、ビッグバンから (10の-5乗)秒後には陽子(水素の原子核)と中性子はすでに作られていて、水素の原子核が電子と結合し水素原子を作り始めるのはビッグバン後30万年後で、この時、宇宙の温度はやく3000°Kまで冷却し、それまで閉じ込められていた電磁波が放出され(宇宙の晴れ上がり)この時放出された電磁波が宇宙の全域の広がっていて宇宙背景放射( cosmic microwave background CMB)として現在も観測されます。

 

原子の発見者は誰か

ダルトン(Dalton)は原子論(1803年)で古代ギリシャの哲学者デモクリトス、レウキッポスの原子仮説(原子は物質を構成する最小単位であるという)をそのまま復活させ、すべての物質は、原子(微粒子atom)からなり、化学現象は原子の結合、分離によって起こり、それ以上分解できないものだけを原子とよぶことにしました。
フランスのジャン・ペラン(Jean Baptiste Perrin)は樹脂の微粒子を液体に分散させその微粒子の運動(ブラウン運動)を顕微鏡で観察し、数々の実験からアボガドロ定数(1mol中に含まれる粒子の個数(6.02×10+23個/mol)のこと)を決定したのです。
それをLes Atomesとして1913年に出版して、 物質が不連続な粒子(分子と原子の存在)からなることを実験的に証明しました。

原子の重さはいくらか

 原子は陽子中性子が結合してさまざまな形がありますので重さ(大きさ)は水素原子一個の重さ(大きさ)からさまざまなものがあります。 原子は陽子中性子が結合してさまざまな形がありますので重さ(大きさ)は水素原子一個の重さ(大きさ)からさまざまなものがあります。それぞれの原子の重量は周期表に書いてあります。周期表には原子量 (atomic weight)がありますが、それは炭素12の質量を12とした原子の相対的な質量(無単位)のことです。

  質量(kg) 大きさ(半径)(m)
電子 9.1093897×10-31  
陽子 1.67262158 ×10-27 約1.2 × 10-15
中性子 1.67492716×10-27 約1.2 × 10-15
原子核 陽子と中性子の数による 約10-15
原子 同上 約1×10-10
分子 原子の種類と数による  

 

原子の大きさはどれだけか

 原子の大きさとは原子核は非常に小さいのですが、その周りに電子が存在することから、電子の存在する領域までを考えていて、 原子の種類によって大きさに違いはありますが、約1×10-10(m メートル)です。

  質量(kg) 大きさ(半径)(m)
電子 9.1093897×10-31  
陽子 1.67262158 ×10-27 約1.2 × 10-15
中性子 1.67492716×10-27 約1.2 × 10-15
原子核 陽子と中性子の数による 約10-15
原子 同上 約1×10-10
分子 原子の種類と数による  

 

原子は物質の最小構成単位といえるのか

原子は近代において、化学や物理学の観点から定義され、その存在が実証されました。
現在ではもっと微細な構造(クオーク等)の存在が明らかになっているが、物質としての性質をとどめているという点で、やはり最小構成単位といえるでしょう。

 

原子番号とはなにか/質量数とはなにか

原子番号(げんしばんごう atomic number)

原子核中の陽子の数で、原子は電気的に中性であるため、電子の数にも等しいのです。

質量数(しつりょうすう mass number)

原子核中の陽子と中性子の数の和で、質量のめやすになる数で、電子の質量は陽子に比較して少ないので無視できます。

 

元素とはなにか

原子核に含まれる陽子の数が同じであれば化学的な性質が同じですが、原子には陽子の数が同じでも中性子の数が異なる(質量が異なる)ものがあるので重さが異なります。これらの原子は同位体(Isotope、アイソトープ)といい、化学的性質が同じですので、これらを総称して元素(chemical element)と呼ぶことがあります。